危険生物

「キロネックス」猛毒を持つ殺人クラゲ

キロネックス(Chironex fleckeri)は、主にオーストラリアやインド洋南部に生息しているクラゲです。
オーストラリアウンバチクラゲとも呼ばれ、英名ではシーワプス(海のスズメバチ)と名付けられています。

不思議なことにキロネックスは、レンズが付いた眼を持っているのです。しかし脳は無いので、この眼から得た情報がどうなっているのか、現時点では研究者の間でも分かっていないようです。

そして、このキロネックスは地球上で最強クラスの猛毒を持つことでも知られ、オーストラリアの海では毎年、被害者が出ています。


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キロネックスの毒性

キロネックスの触手にある針に刺さされてしまうと、心臓、神経系、皮膚細胞などに影響してきます。
毒性が非常に強く、体中に触手が絡まってしまい、わずか3分で死亡したケースもあります。

また、あまりに激痛のためショック状態で海に溺れたり、心臓麻痺で亡くなることもあるようです。

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キロネックスの毒に対する有効な血清はあるのですが、医療機関で処置を行うまで時間がかかりすぎると被害が深刻化してしまいます。

助かった場合でも数週間にわたって激痛が続き、刺された場所の皮膚には傷跡が残ってしまいます。

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キロネックスによって1884年以降少なくとも5000人以上が犠牲になったとも言われ、生息している現地では殺人クラゲとして非常に恐れられています。

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キロネックスへの対策

キロネックスは泳ぐスピードが早く、昼に活動するため、海水浴客やダイバーなど遭遇する機会が多くなります。
現地の海水浴場ではキロネックスの注意を呼びかける看板や、防護ネットや金網などを使って侵入を防ぐなど行っているようです。

その他、パンストなどの衣服を着用することで、刺される可能性を減らすこともできると言われています。

現地で見られるキロネックス注意の看板 

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もしキロネックスに刺されてしまった場合、刺された箇所に「酢」をかけることによって多少は効果があるようですが、毒性が強いため一刻も早く医療機関へ行くことが重要です。

現在、日本ではキロネックスの目撃例はありませんが、今後温暖化の影響で日本にも生息範囲が広まってくるのではと心配されています。

海水浴場に設置されているキロネックスに刺されたとき用の酢
看板には「こすらずに酢を注ぐ、そして医療機関へ」と書かれています

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